2010/10/04

元気なのは間違いない


『満足できない女たち』田中亜紀子
[2/167]BookOff
Amazon ★★★★
K-amazon ★★★

副題に、「アラフォーは何を求めているのか」。所謂「世代論」ってあんまり好きではない。特定の年代層をひとくくりして「○○世代」と表現することになにか意味があるのか?「この世代の特徴として~」と論じることに意味が?仮に「そうそう、そういう傾向ってあるよね!」レベルまで踏み込んだ論調だとしても、それに続くのは「で?」って台詞である。なのになんでこの本を読んだのか...「アラフォー」というのはまさに今自分が携わっている商売のメイン・ターゲット層である。彼女たちのことを知らずに商売などできませんっ...てのが今の考え方で、その「知るため」のひとつのヒントとして手にした経緯。ここから「マーケティング」だのなんだのって期待はしていない。
本書では「雇用機会均等法」が施行された時期に合わせて、「均等法(第一)世代」等で区分している。確かにそれを意識していた人も少なくなかろう。そして(本書でも厳しいシテキはあったけど)男性はそのあたりまったく無関心だったけれども。けれど、「私は均等法第一世代として云々」とか、「当時」就職戦線、新社会人時代をそういう気持ちで「戦って」いた人はどれだけいたんだろう?結構こういうのって、あとで振り返ってみれば、っていうこじつけのところはあるよね。自分が「バブル期」に生きていた、ってのを今振り返ってみて初めてかみしめるように。「世代論」の受け入れにくさはこういうところかもしれない。結構主観的で、「ライブ」ではなくて「過去」よりの考え方、理由づけであって、なんだか「そういう結論にしておいた方が、すべてしっくりくるから、気持ちが楽になるなあ」的な位置づけであるような気がしてさ...
本書においては、元気な「アラフォー」に対して、ある程度の「理由づけ」を著者が試みてはいるものの、「その世代」である著者自身も「アラフォー」たちの元気さに圧倒されて刺激をうけて、理由を見つけることよりも、「元気だから頑張ろう」的な結論に至っているような感じ。それでいいんでないかなあって、「男」たる自分は思ってしまう。元気があること。これが一番だし、それに理由づけは要らない。「対策」はいるかもしれないけど...
自分の身の回りを見ても、自分が20代の頃に見ていた40代の女性と、いざ自分がその年代になった今見ている40代の女性、まったく違うね。特にそういう「アンチエイジング」系の商品を取り扱っているせいもあるけれども、やっぱり「アクティブ」ですよ、実際に。「元気」なのは昔も元気だったかもしれない。「おばちゃん」としてね。でも今の「元気」は、「かっこいい」部分もある。同世代の男性があまり変化がない、ということに比べたら...目の前の扉が開かれた(開いた)光の強さ、そこから見える「夢」の大きさ、なんだろうと思う。「夢」を見ないと人は元気がでないよね。「アラフォー」には限らず、それは大事なことなんだろうねー。

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2010/10/01

こういう「マーケティング」がいい


『シュガーマンのマーケティング30の法則』ジョセフ・シュガーマン
[1/166]bk1
Amazon ★★★★
K-amazon ★★★★

電卓、サングラス...これらの「通販」で大きな成功をおさめた著者。そのノウハウを本書で披露...というフレコミで、通常であれば「うさんくさい」感じが正直するんだけど、実は、自分の「あこがれ」の同業他社の方が読んでいる、というのを目にして、「なら自分も!」ということがきっかけで出会った本。
うさんくさい...このマイナスの前提があったから、というレベルを超えて、「マーケティング」の本としては秀逸です。国は違えど同じ「通販」というフィールドがベースになっているから、というだけではない。最近読んだ本の中でもいくつかあったような、マーケティング「論」ではなく、まさに「実践」であり、そのまま「直接」ではないにしても活かせそうなヒントはあちらこちらにある。活かせそうな、ではなく活かすように動いてみるべき、と表現しなければいけないね。
・一貫性の法則(一度こうする、と決めたら、それを続ける=「ついで買い」)
・シンプルが一番(選択肢を増やす、事細かな説明が本当に伝わるのか)
・帰属意識(ベンツを買っている層の仲間に入りたい意識)
等々、「モノを買う消費者」の心理をこれほどまでに的確につかんでいる本はないんじゃないか、って思える。なかでも、
・人は感覚で買い物をし、その買い物を理屈で納得する
これって深い。自分に当てはめれば当然、と思えるんだけど、いざ「売り手」になってしまうと、「理屈」で埋め尽くしたりしてしまう。でも最初に接触して動機づけされるのは、「感覚」なんだよね。納得。
本書の中でも何度か登場したけれど、この本の根底にあるのは(著者の考えの本質は)、「お客様を知る」こと、そして「お客様に対して正直に接する」ことにあると思う。誠実さ、正直さ、というキーワードが出てくる。これほどに成功した著者が、
「消費者は賢い。お客よりも賢い売り手はいない」
と断言している。これって深い。「だます」ようなことはつまり不可能なんだよね。誠実、正直ではないし、賢くない人が賢い人を、テクニックを使ってどうこうする、なんてことは考えるだけ無駄。それよりも(まずはそういう=誠実な、正直な人間になる、という前提があるけれども)ひとりの人間として正直に包み隠さず接する、マイナス点はマイナスと伝える(それを克服する方法も提示する)、プラスの面は自信をもってプラスであると提示する。あたりまえかもしれないけど、なかなかやりきれないこと。やりきる人が成功するんだろう。
さてその前提となる「誠実」になるためにはどうしたらいいんだろう。本書が答え(ヒント)を与えてくれている。曰く「意識すること」。これも深いねー。テクニックではない。意識して誠実になること。これが一番の近道だし、唯一の方法なんだ。これも「あたりまえだけどやりきれない」ことかもしれない。
ながく手元に置いておきたい本。誠実な、正直な、そして自信を持った著者の情熱が伝わってくる。久々に「いい本」を読んだ。「あこがれ」の方の選択は、やっぱり素晴らしい。

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