- 社畜のススメ (新潮新書)
- 発売日: 2011/11
『社畜のススメ』藤本篤志
[2/157]Library
Amazon ★★★★☆
K-amazon ★★★★☆
自己完結、自立、さらには「起業」を促すような「自己啓発書」が少なくない。社会人としての環境が良くも悪くも変化しており、会社に全面的に依存するような生き方は出来なくなってきた、という認識のもと。
高度成長期がどうであったかわからないが、バブル期を経て「会社」の在り方、「会社員」としての在り方は変わってきたと思われる。そして大震災という天災を目の当たりにして、生き方という(これまで意識せずとも済んだ)ことに意識が向き始めたから、なのかもしれない。
サラリーマンとしての人生を全うする人、そこから脱することを選択する人、どちらがベターかなんて誰にもわからない。人ぞれぞれ持ち分はあるし、相性もあるし、運もあるんだろうと思う。どちらがハイリスクか、というのも分からない。会社員にしたって「今日と同じ明日が必ずくる」という時代ではないのだ。
だから「自己啓発」が流行る。万が一会社員としての立場が危うくなったとしても、自分という価値を上げておくことで、「明日」を迎えることに不安がなくなるから。
おそらく、会社内で一定のレベルで仕事ができる人、と、独立してもやっていける人、というのはかなり近似しているのではないかと思う。会社内だって、「価値が高い」人が重用されるのは間違いないのだから。
本書はタイトルこそ刺激的なものの、内容は至ってベーシックである。経験という武器を身につけない時分には、「会社」という組織の中で自分を高めていくのがひとつの「重要な」選択肢であること、「守破離」の「守」段階では、ルーティンワークも含め、ひとつひとつ真面目に前向きに取り組むことが肝要である、ということ。
会社の中では、周り(会社外)が見えにくく、見えにくい分、「隣の芝生が青く」見えたり、「このままでいいのだろうか」と不安になったりすることがある。この段階を越える、というのもひとつの「力」であるのだろう。「守」の段階ではじっと我慢することも必要である。
必ずしも「独立起業は無謀、会社員として滅私奉公せよ」というメッセージではない、と捉える。あくまでも力を蓄える時期を見極めて、そこで必至で取り組むことの重要性を示しているものと。要は「会社でうまく立ち回る」=「会社をうまく使う」ということか。「自分の高みをめざす」ことが重要な目標であって、会社員であるかないかは手段、ということ。
「守」段階の若い世代に、自己啓発系の本が読まれていることに少し違和感を感じていたが、本書でその理由が明らかになったかなあ。といいつつ、自分はもはや「破」から「離」段階にきていると自覚していますけれど。
【ことば】いま働いている会社にどのような経緯で入社したにせよ、その「縁」を否定することはできません...縁ある今の会社を大切にしないサラリーマンは多くいます。
苦しい時期は必ずと言っていいほど、来る。その時に「最初」の気持ちを思いだすことも、その局面を抜け出すヒントになりうる。そしてなんらかの事情でその会社を離れる事態になっても、「最初」は捨てずにいたい。「縁」は会社員であろうとなかろうと、生きるうえで大切な事柄だから。
社畜のススメ (新潮新書)
>>本書の感想文、見つけました!いろいろな意見、読み方があってもいいですよね <<
きゅーすけ日記。
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