2010/10/22

やっぱり難しいんだね

『なぜ、あの会社だけが選ばれるのか?』宇都雅史
[16/181]Rental
Amazon ★★★★★
K-amazon ★★★☆☆

EC事業を支援する会社の社長が著した、「あの通販会社が元気な理由」という内容。帯には、まさに同業界に足場を置くモノにとっては、「雲の上」の存在の名前が並ぶ。自分は(一応)この業界(EC)に6年存在しているが、著者の会社とは付き合いがない、というかお名前を存じ上げませんでした(ウチのレベルとは異なる世界に存在されているのではないかと)。また、そーゆー業界にいながら、そういう業界の本ってあまり読まないんですね。なぜか。どうも、特にネット通販のノウハウ(集客やシステム的なテクニック)と、「本」って相性が悪い気がします。もちろんEC業界で働いている人もレベルがいろいろあるんだけど、誰に焦点を当てて本を書くのがかなり難しい。本書に書かれている内容(テクニック面)も、正直ナガイコト「ここ」にいる自分にとっては、「いまさら」的なところが多い。というかすべてそう。かといってその道の専門的なことは本を読むよりは実践した方がよかったりする。もう一つの理由は、(本書は書かれたばかりなので「まだ」大丈夫だけど)そのテクニックとかメニューとかがすぐに陳腐化する、ってこと。特に動きの速い業界なので、書かれている時点では「最新」であっても、すぐに淘汰されるか「あたりまえ」になってしまう。つらいね、この手の本はそこがつらい。また自分がなぜ本を読むかというと、そこから何かしらのヒントを、ひとつでも見出す、ということのためであり、それは「ちょっと遠い」世界の本からのほうが見出せたりするんだけど、自分がいる業界の内容はあまりに身の回りに近すぎて「即物的な」ものを求めてしまったり、「それ、ちがうね」っていう曲がった意識をもってしまったりするんで、なかなか自分の読書スタイルと合わないんだね。
本書はテクニック的なことと同時に、通販を生業とする人が(ECだって通販です)どういうマインドを持って取り組むのか、どういう企業姿勢が必要なのか、成功している企業はこういう考え方だ、ってことが書かれています。ここに紹介されている企業さんは確かにすばらしい考えをお持ちで、「今日の売上よりも明日の売上」を考える土壌をおつくりになっている。そんな感じです。しかしながら業界にいるといろいろと聞こえてくるところもあり、当然ですが、そのような企業においても「今日の売上」に必死で取り組んでいる方々がいるわけで...一定規模はそういう方々が数字を作っていることもまた事実。ただ、それを超えて伸びている企業は「明日の」という考えが根付いていることは確かですね。
実はいくつか「やってみよっかなあ」っていうヒントはあったりした。あと、
「ネットは欲求喚起に対しては弱い」
という、自分がこれまでもやもやっと感じていたことをスッキリさせてくれるフレーズもあった(これは、「ネット販売」という特性を考えましょう、他のメディアとすべて一緒に考えたらだめ、ということ)。本書を読んで改めて、っていうわけじゃないけど、一回棚卸をする必要があるかなあって感じてます。

なぜ、あの会社だけが選ばれるのか?-成功し続ける会社がやっているたった3つの仕組み

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