2012/06/29

確かに刺激をいただきました。が...


『一瞬で自分を変える法』アンソニー・ロビンズ
[18/115]Library
Amazon ★★★★☆
K-amazon ★★★☆☆

今の自分に満足していない。もっと自分にできること、自分のあるべき姿を追い求めたい。そんな気持ちは誰にもいつでも湧き上がるものだと思います。その時に分岐点になるのは「信念」と「行動」であると。思い立ったらすぐ行動する、思っていたような結果が出なくても信念をもってやり続ける。それが「成功」に近付くひとつのヒントであると、多くの本などで目にすることです。

タイトルに表されているように、また原題の”Unlimited Power”が示すように、本書の内容も基本的にはその二つの重要性を説き、コミュニケーションやモチベーション維持の手法も解説してくれます。かくゆう自分も現状を打破するための何がしかのヒントを見出さんと手に取った次第で、信念、行動という重要なファクターについては、目新しいことではないとはいえ、改めて、「どうすべきか」ということを考え、実行していくきっかけにはなった。

しかしながら、この手の翻訳本、そして本田さんの翻訳本に多いんだけど、読み始めの勢いが途中でフッと抜けてしまうことがあるんですよね...前半読んで、 「後半読むよりもむしろ行動せねばっ」となっているので、それこそ本の影響だとは思うんだけど、どうも後半がアタマに入ってこない。この経験は同カテゴリーの本でいつか実感したような...

前述したように、本書は「メンタル」的なものと「テクニック」的なものとが配分されているので、少しでも刺激を受けた箇所は、「行動」に移しやすいものだと思います。自分も、ここに書かれていた、「感覚タイプ」というコミュニケーションテクニックを今日から使ってみようと思っていたりします。
著者が繰り返し書かれているように、行動に移さねば本書を読んだ価値が半減以下となる。これをきっかけに少しでも行動を起こす、すぐに。これがポイントですね。

翻訳の難しさもあると思うし、すんなりとアタマに入ってこないような箇所も正直見受けられます。ただ、この本については、内容を理解することよりも、行動のきっかけとなるかどうか、そこが肝だと思うので、細かい点は気にせず、読み終えちゃうのも一手ですね。読み終えてからどうするか、で本書を読んだ価値が変わってきますから。

なので「一瞬で」変わらないかもしれないが、「一瞬」でなくとも、変われば、よくなればいいのだ。


【ことば】...この世に失敗はないことを理解してほしい。あるのは結果だけだ。行動には必ず結果が伴う。万一、自分が望んでいた結果を得られなかったとしても、方法を変えて、また別の結果を出せばいいだけのことだ。

「失敗」について、成功者の多くが、「恐れるに足らず」という。失敗の数が成功への道であるという。わかっちゃいるけれど、行動を伴えないこともあった。この言葉のように「結果」であると認識することは、意識的にかなりプラスになるのではないかと、直感的に感じる。

一瞬で自分を変える法―世界No.1カリスマコーチが教える


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息子よ!この本を読め!
本読みサラリーマン




2012/06/27

二つの世界を繋ぐもの...求めるべきものは

マボロシの鳥
マボロシの鳥
  • 発売日: 2010/10/29

『マボロシの鳥』太田光
[17/114]Library
Amazon ★★★☆☆
K-amazon ★★★★☆

爆笑問題・太田光の小説。癖のある芸人がどんなものを書くのか...文学批評ができるレベルではないので、個人的な感想になるけれど、かなり「良」であります。本書は表題作を始め全9編の短編集。連作ではなく個々の短編が独立していますが、それらを貫くものは確かにあったかと思われます。

各編に見られたのは、二つ以上の平行するストーリーがあって、それがどこかで「繋がる」ということ。自分が今いる世界は、過去の、或いは別の世界に影響を及ぼし、また影響を受けているということ。意識する意識しないは別にして、俯瞰してみると「繋がり」が見えてくるのです。


貫くもの、それは「繋がり」。過去の出来事と今目の前で起きていること。「宿命」は今起こっているのではなく始めから予定されていたこと。 自分が大事にしていたことを時が経ってから見つけること。一人で生きているようで、実は他の人と繋がっていること。子供たち世代に伝えるべきこと。
 
震災以降、「繋がり」という言葉がややインフレを起こし、その本質が傾いていた時期が確かにあったと思う。ようやく、本当の意味での「繋がり」が生き残ってきた。質の低いものが淘汰されてきたのだ。
繋がり、絆。 この世に生をうけて、見つけるべき意味はこれなのかもしれない。
全篇通して読んだときに、そんな気持ちになった。そんなメッセージが伝わってきた。

芸人としての著者の「こだわり」も垣間見える。表題作「マボロシの鳥」の中で、落ちぶれた芸人がいうセリフ。
「芸人が、なぜ、自分の芸をお客に見せたいと思うか...お客を喜ばせたいとか、楽しませたい、なんて言うのは、後から付けた理屈だよ。一番の理由は、この客には、今、自分が必要なんだって、確認したいからだ。」
どんな世界でもそう。他人を喜ばせたいと思う気持ちは、これは嘘ではないけれども、他人を喜ばせることで自分が幸せになれるからだ。自分が必要だ、と感じることができることが行動の原動力であるのだ。そして他人に喜んでもらうには、自分が幸せである必要がある。こうして、「幸せ」が広がっていくんだろう。

ところどころ、「爆笑問題の太田」が登場する。本筋にチャチャを入れる役目として。そこが小説的ではない、という見方もあるだろうけれど、そこは「個性的」で自分としては好ましく思った。各編のストーリーや構成を云々言うよりは、最後まで読み切って全体感を味わう方が、よいかも。


【ことば】それまで、未来など自分とは関係ないと思っていたのに。自分と、自分がいなくなった後の未来など、何の繋がりもないと思っていたのに。...この子は、私が未来へと託す、タイムカプセルだ。

自らの人生体験から厭世的になっていたポールが、自分の子が誕生すると知った時の感覚。生命の誕生は、そう、エネルギーを生み出す。自分の子だけではなく、世界の子どもの誕生も、同じエネルギーだ。

マボロシの鳥


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