2011/03/02

ある種「きもちのいい」本です

40歳からの知的生産術 (ちくま新書)
40歳からの知的生産術 (ちくま新書)
  • 発売日: 2011/01/07
『40歳からの知的生産術』谷岡一郎
[2/42]bk1

Amazon ★★☆☆☆
K-amazon ★★★☆☆

「40歳から」「知的生産」、気になる二つのキーワードにつられた...所謂「時間管理法」の本については、過去に何冊か読んで得たものはほとんどない状態なので、あまり手がでないのだが、この本はタイトルにやられて...内容としては、他とそう変わらない。ただ「書き方」でこんなに印象が違うんだなあ、って思うほど、著者の文書は面白い。どこかの大学の学長先生、ということだが、「強い」口調であって「言い切り」「断定」的ではあるんだけど、それが苦にならず、意外なほど素直に受け入れられた。情報の洪水の中で、「どれをしないか」がより重要である。氾濫する「ゴミ」を見分けるテクニックを身につける、そのためには「土台」の知識は当然に必要...等々、ごく「一般的」ではあるんだけど、説得力がある、というのか、イヤミのない先輩がまた何か言ってるよ、くらいの感覚で読める。逆にいえばそういうちょっと距離感を持って(何かテクニックを得ようと考えないで)読むくらいのスタンスがよいかと思います。
ファイルの方法とか、そのあたりの「生産術」は、気にいったらやってみればよい、レベルです。本書に引用されていた『知的生産の技術』とはまったく異次元な内容なので、比較対象にはなりません。どちらも受け入れられる、そんな姿勢でよいと思いますね。 なにか「知的」なことを始めてみようか...その「きっかけ」くらいにはなると思われます。
 「40歳すぎてこんな本を読んでいるようではあなたは...」というレビューも見られましたが、これを持って何か「生産術」を得よう、とか、目からうろこが...というレベルでなければ、読み物として時間を割くのは無駄ではないと思いますよ。なにかにすがりたい「年頃」ですので...どうも最近「知的生産」という言葉に弱い。そういう「術」を未だ持っていない証拠でもあるのかなあ。

40歳からの知的生産術 (ちくま新書)

2011/03/01

異次元の世界、世界観...ハードルが高いわあ

蹴りたい背中
蹴りたい背中
  • 発売日: 2003/08/26
『蹴りたい背中』綿矢りさ
[1/41]Wondergoo
Amazon ★★★☆☆
K-amazon ★★★☆☆

芥川賞。史上最年少。19歳だって!多少の困難は予想されていたが、読んでみないことには何を言う資格もないし。...クラスで孤立する二人が、共通の話題で距離を縮めていく過程、10代女性の微妙な心理、「変わっている」と思われているティーンエイジャーの、おそらく自分でも気付かないような気持ちの揺れ、を描いた(と思われる)。40をとうに過ぎた自分には、当然ながら感情移入はできないけれども、なんとなくこの「世界観」は嫌いではない。主人公が「仲間」を嫌い、自分から「孤立」を選んでいるところも個人的に分からないでもない。同じ年代を主人公にした本を最近読んだけれども(『幸福な食卓』瀬尾まいこ)、まったく異なる世界観。どちらも拒むものではない(完全に消化しきれないところがあるのはいたしかたあるまいね)。数多ある書評を見るに、「芥川賞にして云々」とか見受けられますが、それは選考した方も話であって、「賞狙い」で書かれたものではないと思う。むしろ選考した人たちがこのテイストをわかる、というのがすごいと思う。「最年少で芥川賞、だからすごいんだろう」という先入観は、読む前に視界がせまくなっているよね。
同年代の「本を読む」人たちからはもっと違った共感が得られるんだろうなあ、っていう(勝手な)感想です。小説を読む「コツ」みたいなものを自分はまだつかめていない。なので、単純に「読後感」がいいかどうか、世界に入れるかどうか、それだけを基準にしています。なので極めて「個人的な」感想になりますが、何かを求めるわけでなければ、「楽しめる」本ではないかと思う。「今の若い人ってこういうのなんだねー」って、すこし距離を持って受け入れるのも「あり」でしょう。「蹴りたい」というのがどういう感情なのか、その深層心理は...とか考えてはいけないのだね、多分。

蹴りたい背中

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