2010/02/06

まるで大学の講義みたい...


『頭がよくなる思考法』齋藤孝
[4/20]BookOff
Amazon ★★★
K-amazon ★★

親や教師、書物から学んだ「考え方」。そしてさらに歴史の偉人や天才と呼ばれる人たちの「考え方」を自分のものとして取り入れる。もはや時代から見ても「知識」量をもっているヒトではなく、それをいかに「使う」か、その元となる考え方の幅、これがポイントになってくる。
偉人、天才の「考え方」を自分のモノとすることを「ワザ化」と呼びます。本書では「ワザ化」する方法を教えます。
...最後まで読んでも、「教えて」もらった感じがしない。抽象的な表現が多く、「ワザ化する方法を本書で紹介します!」が最後まで続いちゃってる。弁証法やら何やら...前書き段階で「哲学的な話をするつもりはない、わかりやすく説明します」って書いてあるけど、「哲学」とは言わないが「抽象」には変わらない。
ってこういう話の流れ、どっかにあってよね...そう、大学の講義とか、それなりに有名な先生のセミナーとか。「今日は難しい話をわかりやすく説明するからねー。期待しててー。」っていう前フリがあって、結局よくわかんない、っていう経験は、講義、セミナーにおいてはよくある話。
...著者は大学教授だよね。こんなところで納得。

先入観を排除する、とか、反対意見の中から高みに持っていくためのヒントを見つけ出す、とか、そのための手法を「弁証法」として説明されています。逆だな。「弁証法」とはこういうことです、っていう説明を。でも、先入観を云々、って当然(実行できているかどうかは別だけど)意識している内容であったりする。それを「弁証法」だとは思っていないし、「弁証法」だってしらなくてもいいわけで。
唯一「再確認」したのは、「量質転化」という話かな。「さかあがりができるようになるにはとにかく練習をいっぱいする=量、そのなかで少しずつ工夫をしていくと必ずできる時がくる=質、この流れでできるようになったことは「質」を落とすことなく継続できる」。最初は「量」だというのは実経験からも感じること。いつか「質」に転化するのは実感としてあるんだけど、これを人に教えるのが難しい。というのは、その時点で「質」になっている私は、教え先にも「量」ではなく「質」を最初から求めてしまうことがあるから。これ、再度意識したい。せっかちな自分は特に気をつけなければ...

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2010/02/04

得るもの多数!響きます。


『かわいい部下にはハシを持たせよ』官谷浩志
[3/19]AMAZON
Amazon ★★★★★
K-amazon ★★★★★

なんやら良くわからないタイトル、知らない著者、住宅業界の営業の話?...得られるものは果たしてあるのか?という不安を元に読書開始。実は買ってから随分と時間が経ってしまったので、これを買ったことすら忘れかけていた...そんな環境の中。
営業としての成功事例、よくあるマネジメントのノウハウ、と思いきや、まさに「本質」がここにはあった。大きくは二つの「気づき」あり。
ひとつめ。「無関心」に対する糾弾。クレームも、もちろんモチベーション低下も、全ての要因は「無関心」にある、と。無関心故、クレームが起きても無関心、対応は(一応実施しても)無関心、再発防止策なんてまして...そしてそれに対しての注意にすら「無関心」。この繰り返しで起業のパワーは失われていく。「罪」とまで著者はいうが、そういう「無関心層」は増殖する、とある。ひとり、それがいることで周りにも伝播し、いつしか全体が罹患してしまう...なんだか数ヶ月前に実体験している私はヒトゴトではない。幸いにも「我流」でその排除をしたが、もしかしたら今でもその余波があるのでは?と考えてしまった。確かにそれは一番怖い。スキルレベルがどうこう、ではなく、発病と伝染、これほど怯えることもないだろう。その早期発見と流行防止。これに対する「対策」はあまり具体的にはなかったけど、それはケースバイケースだろうからね...
そしてもうひとつ。本の半分過ぎるまでこのタイトルの意味がわからなかったんだけど、著者率いる住宅メーカーでは、「売った後」のお客様の家に訪問して、「食事を招待してもらう」という取り組みを始めたそうで。これだけ見ると突拍子もないことだけど、つまりは家=「ハコモノ」を売っているわけだけど、そこで生活を始めて「住まい」となったところで、実際に安くはない買い物をしたお客様からの本音を聞く、という活動だそうで。イメージ的にも特に「アフターフォロー」がなさそうな業界(売ったらそれまで)だけど、そこに本質的な「CRM」という概念を見出している。よくある「アンケート」ではなく、また「食事会への招待」ではなく、お客様の「ホーム」でお客様の本当の言葉で、意見、指摘をいただく、つまりは関係性を深める。それは今後の業務に生かす、という点だけではなく、業務に直面するスタッフが本当の意味でのゴール設定(ここでいえば、自分が売る商品=住宅で生活をする家族の笑顔を実現する)ができるようになる、ということ。「招待してもらう」というのは突飛な発想だけど、「それさえできない人間関係ってどうなの?」という指摘にはうなずくしかない。で、お客様をご招待する、というのはお客さまが「アウェイ」であり、そうではなく「ホーム」で聞くことに意味がある、という。その際にせめてもの礼儀として「ハシ」を持参しなさい、というのが、このタイトル。そもそも「食事」をするからより深くなれる、ということもある。
なんとなく「食事を一緒にする」ことの大事さってわかる気がする。1歩親しみが増すことも確かにある。がそれは手法であって、なによりも「住宅を何件売った」ではなくて、そこに住むことで幸せを手にしたお客様が何人いるか、という視点にその営業がマインドをシフトしていく様子が素晴らしい。そこには住宅の「スペック」というものは中心にはない。あるのは「人」。本質。
自分が売っているのは住宅ではない。嗜好品である。けれども、それを「こんなにスペックが高いから買ってください」というのは本質ではない。これを買っていただくことでそのお客様がどんなライフスタイルに変わっていくのか、どんな気持ちになっていただけるのか。そして通信販売という「顔も見えない」業態ではあるけれども、それをその気持ちを「伝えて」いくことが本質かと。漠然とイメージしていたことがこの本で少し現実味を増した。「住宅という世界でもそれを実現できている」ことが少なからず刺激になった。これまでの売り方に違和感を感じている、行き詰っているチームリーダーにはかなり響くんではないだろうか。っていうかこれを読んで何も感じないようでは、その時点でダメかもしれない、っておこがましくも思った。

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