2010/05/31

これをどう読むか。肝。


『リーダーになる人のたった一つの習慣』福島正伸
[17/82]Library
Amazon ★★★★
K-amazon ★★★

3名のそれぞれタイプの異なる「リーダー」が、つぶれる寸前のカラオケ店をどう立て直していくのか...AMAZONの書評にもあるように、各リーダーの性格(経歴)紹介の時点で「筋」は見えてしまう。結論も「サプライズ無し」だ。それを「つまらない」という見方も当然できるだろう...自分としては「予定調和」の安心感を得た、けど(それはそれで「本の読み方」として不十分なのかもしれないけど)。
読んだだけでは、著者の主張するところの「人を動かす=感動を与える」という直接的なヒントは得られない。これで「わかったあ」と思える環境はそうそうないだろうと思う。読んでいく中でどう自分の環境に置き換えられるか、というところがポイントだろうと思う。それは自分のチームのメンバーに対して、でもあるし、お客様に対して、でもある(この本では「お客様」は存在しない。意図的であると思われる)。「人を動かす」のは簡単なことではない。結局「愚直に実行する」リーダーが、その「本気」を伝えられるかどうか、ここにかかってくるのだろう。「動かすため」に、実行・行動する、ではだめ。本気かどうか。それ次第だね。
「読みもの」としては、短いし、「予定調和」だし、それを期待していると面白くないかも。実質30分で十分読める内容。内容的には「チーズはどこに」の方が考えさせられるところは多いかもしれない。何度も同じことを書くが、ここから踏み込めるかどうか。そういった意味では、「この本を読んだことで得られる何かを見出して見せる」という「本気」がここにも必要なんだろうなあ。リーダーとして少なからず「苦労」している人ならば得るものはきっとある。

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2010/05/30

タイトルがすべて...


『論理思考は万能ではない』松丘啓司
[16/81]bk1
Amazon ★★★★★
k-amazon ★★★

フレームワーク、ロジカルツリー、MECE...所謂「ロジカルシンキング」について、それらをしらなかった時には、『それができるようになれば(今は見えていない)何かが見えてくるんじゃないか...』という期待があったさ。でもさ。それなりに、そういう「論理思考のツール」を使い(こなしてはいないが)はじめても、それらのツールを使うことで見えてくるものって無い、無いんだよね。確かに考え方は大事。大事です。でも「解決」や「意思決定」のツールではない、っていうのは自分の感覚でもわかっている。
だから、そーゆー「論理思考は万能ではない」旨の主張は、結構自分にはすんなり受け入れられた。この「すんなり」がいいのか悪いのかは別(「わかっている」理論を読む必要はない、のか、肉付けのために必要なのかは不明)だけど、おそらく「論理思考」に関する本がこれがはじめてだったら、かなり読みにくいんではないだろうか。
つまり。「論理思考は万能ではない」といえるのは「論理思考が万能かもしれない」と思って取り組んだ経験がある人でないと、実感しにくいんだろうなあ、っていうこと。まあ、これはどんな考え方にも当てはまることかもしれないけどね。
著者の本来主張したかったことかどうかはわからないけど、読んでいく中で前向きになれたのは、「(自分自身の)成長」とか、「自分の考え方の軸」とか、すなわち、自分を高める必要があるよね、ってこと。言われて確かにそうだと思ったのが、「論理だけで決断するなら人間はいらない」というくだり。そこに「意思」を持った人間が判断する、という行為が入るわけで、論理だけではなく、意思、そのまた裏には経験だったり自分の軸だったりが前提条件としてあるわけだ。つまり「わかったようにロジック、ロジックって言う前にもっと勉強せいっ」ってことなんだろう。
あきらかに働く「角度」として、「自分で考えて自分で実行して」というアクション、アイデアが求められる環境だと思われる。ただ待っているだけで与えられたものをできればよい、ということではないよね。そんなときにはこーゆー、「ロジカル+アルファ」の考えが必ず必要なんだと思う。
確かに、「数字」にシバられてしまう人はいる。一方で数字から距離がある人も。どちらが欠けても不十分だということだよね。当たり前なんだけどさ。

あと、あくまで「例」として挙げられていたのだけれど、自分たちのチームの「ミッション」に使えそうなものがあった。ちょっと書いてみる。
・お客様に「これはすごい」を驚かれるような自分たちらしい何かを提供したい。
・メンバーの努力の足跡を残すような仕事をしたい
自分たちの「なりたい姿」。これを「未来」という側面から見た「あるべき姿」と合わせて...う~ん、難しいなあ。でもこれまでは「年売上」「営業利益」しか目標共有してきていないから。いちセクションであっても、「ミッションステイトメント」みたいなものは必要なんじゃ?って最近常に考えていることだったりする。




2010/05/28

その通り。それだけ...


『愚直に実行せよ』中谷巌
[15/80]BookOff
Amazon ★★★★
K-amazon ★★★

つまり「リーダー論」。タイトルにもあるように、リーダーたるもの、どのようにふるまうべきなのか、という(自分にとっては)永遠のテーマをまたしても読み始める。
リーダたるものの資質として挙げられているのが、
・「志」がある
・ビジョンと説明能力がある
・愚直な実行力がある
・「身をもって示す」態度がある
うん。わかる、そうだよね。これが冒頭に出てくるので期待感が高まる。そして「志」「ビジョン」のためには「教養」を身につけねばならない、とある。そう、そうだよね。人間の幅、ってやつかな。そして日本人の「特質」を解説、まずは自らを知ること、という意味か。
...実は最後まで、最初にあげた「4つの資質」を超えるインパクトを与えてくれるパートはない。つまりは(タイトルそのもの)愚直に実行すること、だということ。確かに「志」を持っていても「実行」しないと、アウトプットしなければ自己満足に過ぎないし、結局はリーダーとしてフォロワーがついてくるはずもない。確かに。
著者も繰り返し述べられているが、「リーダーはリーダーになろうと思ってなるわけではなく、愚直に実行する結果、周りからリーダーとして認めれられてはじめて、リーダーたりえる」、そして「愚直な実行を演じてはいけない」ということ。これはまさしくそうだと思う。正直、「背中を見て何かを感じ取ってくれ~」というオーラを出しても周りがそれを感じ取ることは皆無である。気がついたら...という経験は実はあまり多くはないけれども、周りにどう見えるか、を気にして仕事をしていたら「リーダー」ではないよね。
自分に足りないものは何か...そもそも自分は「リーダー」であるのか「マネージャー」であるのか(組織図、ではなくてチームのメンバーからどう見られているか、という点で)、考えさせられた。
かといって「リーダー」らしくふるまおう、とは思わない。少なくともこの本を読み終えた今は、ね。

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2010/05/27

日本の「パタゴニア」が浮かんだ!


『社員をサーフィンに行かせよう』イヴォン・シュイナード
[14/79]Rental
Amazon ★★★★
K-amazon ★★★

実家が目白にある。んで、パタゴニアという店は目にしている。目にはしているが入ったことはない。そもそもファッション系に無頓着、そしてアウトドア系に興味がない自分には別世界に見えたので...
この本を読んで、「そこまですごい企業なのか...」と思い知らされた。内容の半分は「環境問題」に触れているが、そちらはいろいろな意見があるので正直よくわからない。(できうる限り環境に悪影響を及ぼさない商品作りを試みている、としているが、究極は作らなければよい、という意見もある)
タイトルからも想像できるが、ここの社員は(日本の店の社員はどうかわからないが)、自らが「アウトドア派」であり、「いい波」が来ていればサーフィンに出かけることができる。営業時間中であろうが関係なく。ただし、業務成果については厳しいようで、好きな時にサーフィンに行ける=仕事を後回しにしてもよい、ということではないようだ。
理想的である。そのマインドが徹底されている、という前提のもと、(サーフィンにでかける)社員は、「出かけない」時間に「仕事」を責任をもって行う。また各人がそういうマインドでいるので、社内の結束も高まる。繰り返すが理想的だねー。これはマネできない、と直感的に思った。自分でも(いいといわれても)きっとできないだろうと思う。これに関するくだりから読んだことは、(著者の本意ではないかもしれないけど)「サーフィンに行く」=「プロに近い感覚を持つ」=「お客様に『プロとして』案内できる。或いは、本当にサーフィンの楽しさを伝えることができる。ここではないだろうかと思う。最近気にしている「社員満足」という点では大いに同意なり。ここまで徹底できるかは不明だが、この考え方は「正しい」と思う。
会社としても(この本に書いてある限りでは)「売上(或いは利益)の最大化、(会社の)成長促進」というところをポイントにしていない。むしろ敢えて「着実」な進歩になるようコントロールしている感じである。働く理由、会社の存在意義を「地球への貢献」と明言しているところに、ビジョンの明確さ、方向性のブレの無さを感じる。自分の属する通販業界でいうと「三鷹」の会社がアタマに浮かぶ。ここまでの徹底ぶりかどうかはわからないけれど、マインドの違いが話すたびに感じられる。いいなあと思うけれどもまねできない。小手先ではなく、そもそもの土台が異なる感じだ。
この内容は感動するか、覚めた目でみるかどちらかに分かれると思う。AMAZONの書評も見事に二分されている(「否定的」な方が「参考になった」度が高いのが気になるけど)。「理想」を追い求めるのか、ハナから異次元であるとあきらめるのか...自分はどちらだろうか。「自分の会社」だったら実行してみたい気もするが、「守るもの」があるとできないのかもしれない。今の環境で考えれば、「考え方」を取り入れるしかない。考えよう。行動をまねしなくても、なんらか近づくための「変化」は起こせるはずだ。
内容的に触発されるところは多かったが、何せ「挿入」(たとえば「手紙」とか「記事」とかのコラム的なもの)が多く、流れで読みにくいところがあった。時間がかかってしまったなあ...
今度一回お見せに入ってみようと思う。その「空気」を体感してみたいと思う。

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2010/05/23

これはいくらなんでも...


『ビジネス頭を創る100の難問』ジョン・ケイドー
[13/78]Library
Amazon ★★★
K-amazon ★

外国、あるいは外資系の得にコンサルティングファームとかで面接試験に出される、という「ロジカルクイズ」を集めた本。当面これらの企業に面接にいくつもりはないけど、「違う視点でモノをみることを養う」点では少しでも役に立つかも、それももしかしたら楽しみながら...
まったく裏切られたなあ。問題は確かにヒネリが聞いているものなのかもしれないけど、答えというか、本書の書き方、進め方が、「あーそーゆー考え方もできるんだよなあ。」ってならない。時には答えだけ、とか時には「普通の」計算式でといてみる、とか...なんだかバラバラ感は否めないし、読んだあとになにも残らない、誰かにこの質問をしてみようか、という気にもならない...
あとがき、で、この手の面接試験の時の「ヒント」として、一番目にこんなのをあげている。
1.すぐに思いつく答えは間違い
そうかもしれない。でもさ、こーゆーテクニック論で進めるのはどうなのよ?どちらかといえば小手先のTIPSよりは、やっぱり「こーゆー考え方もできる。頭をやわらかくしておこう」という論点であってほしかったんだよね。だって「面接」がどうこうってそんな狭い範囲の話じゃないと思ってたしさあ..
「図書館」だからまだしも、直接対価払っていたらこんな程度ではおさまらなかったかも、だ。
ちなみに、「監修」としてお名前があがっている勝間さん。監修っていったいなんなんか、よくわからない。けど、最近読んでないけど勝間さんご本人の本(なんかこの手のやつ書かれていたような)の方がよかったかもしれない。

2010/05/21

やっぱり遠い。


『「科学的」ってなんだ!』松井孝典・南伸坊
[12/77]Library
Amazon ★★
K-amazon ★★

めったに読まない「対談集」。「科学」の初心者である自分にとっては入りやすいかも...というだけの発想で読み始める。(初心者故に知らなかったけど)科学者の松井氏と、これは知っている南さんの対談なんだけど、まず科学者の話が「気持ちよくない」。最初っから、あらゆることに関して「一般のひとを科学者はレベルが違う。科学者は一般レベルでモノを考えたりしないよ。」というスタンスで、読んでいてもわけのわからない(私が一般レベルだから)ものばかり。折角の対談なので「一般レベル代表」としての南氏に期待するも、反論や突っ込みといった場面は見られず、「科学者」を持ち上げる役割に徹しているようだ。
いったい誰のための本なのだろう?
そもそも「科学者」が一般レベルに対して「下」としての視点をもち、彼らに対して「わかりやすく」科学をひも解くことを考えていない。「だってレベルが違うんだから」という考えがそこかしこに見える。科学者がそのフィールドでそれを究めていく分にはまったくかまわないし、それで技術が進むことになるんだから、科学者に対しては尊敬するも否定することはない。けれども本に出して「一般レベル」の人に触れる機会に、そういう態度を示して一体なにがしたいのかが不明。「プロと一般の差」を世に知らしめたいのかな。今の私のように「少しだけ興味」をもったレベルからすると、その興味が萎えてしまうね。まあ科学者全員がこうではないとは思うけど。著者は自分のことを「プロ」と呼んでいて、それ自体は素晴らしいことだと思うんだけど、プロ以外の人にもわかるようにするのも「プロ」の領域なんじゃない?って思うね。

...って読んでいるうちに(対談って結構早く読み進められるんだけど)、最後の方になるにしたがって、そーゆーふうにしか考えられない「科学者」って、さびしいだろうな、って思った。すべて「科学的」にしかモノがみれないって、人生の楽しみの半分を自ら否定している感じだよね。もちろん彼らの私生活までしらないけど、「緩み」って必要だし、「科学的」ではない目で見る、それを受け入れるっていう意識も必要だと思う。すべての事物に「理由」を見つける必要はないもん。それをそのまま受け入れるすがすがしさ、て大事だと思う。そこは「科学的」じゃなくっていいや。

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2010/05/20

これが「マーケティング」。


『男が知らない「おひとりさま」マーケット』牛窪恵
[11/76]Library
Amazon ★★★★
K-amazon ★★★

その存在をしらなかった「おひとりさまマーケット」。必ずしも「独身女性」だけを指す言葉ではない、ということだが、いずれにしても「女性のお客様」をメインに商売をしている自分としては非常に興味深く読み始めた。
内容としてはその「生態」(失礼!)を、細部にわたり描写している。「知らない」男である私からはある程度想像していた世界ではあるが、ある意味、こういう本で表現されると「リアル感」が増すことは間違いない。
・「自分磨き」にお金をかける一方、節約するところは節約する
・「ホッとスポット」としての不動産の購入。その裏には親に対する気持ち(独立心)も
・頑張った自分へのごほうびは、モノよりも思い出
・健康志向ではあるが、あくまで「美容」がベース
・自分の価値を向上させる、という価値観
等々。どれも「男である自分が「女性」とひとくくりにして見ていたことは誤りなんだな、やっぱり」と思わせるエピソードが続く。冒頭に、「この本はいわゆるマーケティングの本ではない」というフレーズがあったが、これがまさに「マーケティング」だと思う。確かに、マーケティング「学」ではないだろう。最終的に「マーケット」の動向をひとつに集約していく、という流れのある「学問」ではなく、あくまで「おひとりさま」は「個」であって、それを集約することに意味があるのか?という意識も芽生える。ちょっと前に『みんなの意見は案外正しい』という本を読んで、「集合知って捨てたもんじゃない」という考えを読んだが、その集合知はあくまでも「個」の集まりである、ってことを忘れてはいけない、ってことなんだろう。マーケティングってなんなんだろう?もしかしたら、マーケティング「担当者」の自己満足か?今取り組んでいる通販事業だって、「平均40歳の仕事をしている女性に向けて」という「平均値」で絞り込んでいく手法(マーケティング「学」によるもの)は正確には正しくはない。究極はひとりひとり「個」に向けてのコミュニケーションなんだろう。たとえそれが効率を求めるECであっても。
まあ、とにかく「おひとりさま」は元気である。裏面に「さみしさ」を持ち、それが見え隠れすることもあるだろうけれども、自分を高める、という姿勢は、素直に尊敬に値するし、そこに実は男女差はないわけで、突き詰めれば「おひとりさま」=女性と定義することもあやしくなってくるかもしれない。こういう本ができること自体が、女性を特定していることにはなる。けれども現在の、あるいはこれまで積み上げてきた「制度」の問題もある。「も」というよりもこれが最も大きいのだろう。
いろいろと考えさせられることも多かったが、素直に「読んでいておもしろかった」というのが率直な感想。ただ、(自分の「体調」も一因だが)ちょっとボリュームが多くて、後半は多少読むスピードが落ちた...結構内容的に全体としての抑揚がなくて、後半にもうひと盛り上がりあるとよかったかな...

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2010/05/18

初心者レベルの私にやさしい


『はじめの哲学』三好由紀彦
[10/75]Library
Amazon ★★★★
K-amazon ★★★★

世界は、自分はなぜここに存在する=あるのか。不相応であることは承知の上で、ちょっとだけ「哲学」に興味あり。できるだけ「初心者」向けの本を図書館で探していて、「中学生向け」棚で出会った本。
読みやすかった。おもしろかった。有名な哲学者の言葉が頻繁にでてくるとわけわかんなくなっちゃうんだけど、この本はそれらが少なく、「わからない人に対して」書かれている感が強くでていて、私のような読者にはうってつけ。
さて、「哲学」。この本にも主題として書かれているように、「存在=ある」とはどういうことなのか。この世界に存在するありとあらゆるものを貫く概念はいったいなんであるのか。興味あるねー。そんなこと知らなくたって生きていけるし、考えて答えがでるわけでもなく、たとえ出たとしてもそれが正解であるかどうか確かめようがなく...でも考えてしまうんだよね、人間って。それゆえ昔、大昔から「考えて」いる人がいるわけで。「考える」ことが大事なのかもしれない。実は考えている中でも現実世界の中で生きているわけで、意識するかしないか、それだけの差なんだろうけど、それでも「差」はあるわけで。
自分としても、「哲学」を読むにあたって、何か深いものがあったわけではない。けれど、どうしても惹かれる「問いかけ」ってやっぱりあるようだ。効率を求められる仕事に一日の大半を費やしているから、その反動なのか?単に年齢によるものなのか。それはわからないけど。
「死後の世界は存在するのか」この絶対に答えが出ない問いかけに、過去からずーっと哲学者(あるいは宗教者)は取り組んできている、という記述があった。年齢的にこれに近づいたってことかな。これを意識しているわけではないけれども、興味はある。いろいろな人の考えを見てみたい。そういう興味。
いい意味で、これから先、この分野について、もうちょっと読み進めてみようかと思わせてくれた内容。

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2010/05/17

で?


『ウェブ大変化』森正弥
[9/74]AMAZON
Amazon ★★★★
K-amazon ★★

「コンピュータ」「インターネット」...気がついてみれば、その「革命」の真っただ中で生きてきた自分にとって、もはや「特別なもの」ではなくなっている感覚であることに気がつく。高校から大学にかけて、パソコン通信、ウィンドウズ95といった波にさらされ、使い道よりも所有することが第一義だった時代、いつのまにかそれを「道具」として使う仕事をしている自分、そして...自分はシステム屋ではない。けれどもその波に比較的近いところにいるという認識はある。仕事以外にもこうして「読書録」をウェブ上で展開している。そもそもウェブを使おうという発想。すなわちこれが少なくとも自分にとっての「インフラ」が大きく変化していることを示す。
本書はもっと前からそれを予言していた人たち、そして現代のさらに進んだ技術や、その「革命」の大きなうねり(「クラウド」という言葉に代表される)を、説明。その後に、そのうねりの中で自分たちはどう生きていくのか...というのがテーマ。
であるはずなのだが、前半の「現況」に大部分を割いているのが事実で、1500円出して買う(売る)単行本でやるべきことなのかどうかは極めて疑問。どちらかといえば、「その中で『人間』の役割」というところに多くを割いてほしかった。なぜならそこが「読む」ということに対する対価、価値であるから。でもそこが薄い。確かに技術の進歩は私のような凡人が想像するを超えている。ただ、それについては「受け入れる」ことが大事なわけで、自分の立場としてはそこにどのようにアイデアを付加していくのか、そのためにどの部分を受け入れるのか、どうやって生かしていくのか。それが肝要だと思っている。著者は「敢えて」それに触れなかったのかもしれないけれども...「それは自分で考える。そのベースとなるところを知らなければいけない」というスタンスであるならば、そういう視点で考えるならば★追加ではある。
読む人によっては「すげーなあ」で終わってしまう危険があるように感じる。自分もそうならないように気をつけたい。読み始める段になって初めてしったのだが、著者は楽天の役員をされている方ということで。そうか、「書きたくても書けない」こともあるんだろうね。買うときの注意力が足りなかったかも、だ。

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2010/05/15

まだ見えない領域...


『考えない練習』小池龍之介
[8/73]AMAZON
Amazon ★★★★
K-amazon ★★★

原始仏教(?)の僧侶である著者。「話題の」、らしいけど、すみません、知りませんでした。僧侶といえど時代の流れはあって、HPも開いていらっしゃる方のよう。タイトル、いいですよね。何か新しい境地が開けるような気がするシンプルで力強いコピーです。
内容は、すばらしい...んだと思う、多分。ただ、まったくの凡人である自分には、単に「考える」とかいうこととは次元の違う話をされているようにも感じた。故、くやしいけどアタマに入ってこなかったんだよね。
例えば、ビールを飲んでいやなことを忘れる、という行為は、ビールが「快」であるようにイメージされるけれども、実は「苦=いやなこと」を、違う「苦=ビール」によって置き換えているにすぎない、とか、目、耳、鼻、舌、身、意、これらで感じることに感性を研ぎ澄ませる、具体的にはこうやってブログを書いているときのキーボードをたたく指の動き、またはその音に意識を向けてみる、とか。もちろん宗教的なんだけど、「本質的」だなあ、という感じも受ける。これを敢えて実行するかどうか...そこに「やる意味」を見出そうと「考えて」しまう自分は、やっぱり「まだまだ」なんだろうね。
暑いときにクーラーのスイッチを入れる。この行為はすなわち、いやなことにはふたをする、というクセがついてしまう。そうではなくて、暑いということを「考えない」、汗を感じる、陽の光を感じる...前半は同意。不快だからそれを克服するツールをすぐに用いてしまう。「便利」ではあるんだろうけど、それだけじゃいけない、それだけじゃ知恵がない、っていうことはたびたび思ったりする。
なんとなく書いてあることはわかるし、同意できる。でもなんだかアタマに入ってこないのはやっぱり自分のレベルなんだろうね。でもそういうことを苦として「考える」ことをしないようにしよう、というのが本書の本意。だから今のタイミングで100%理解できなくても気にしません。新しい読み物に出会えたことに感謝。それだけで。

2010/05/13

とはいえ「カネ」だけではない。


『人はカネで9割動く』向谷匡史
[7/72]BookOff
Amazon ★★★★
K-amazon ★★★

まずは著者が「ヤクザ」の世界に詳しいという前知識がなかったので、挙げている事例がほぼその世界であることに驚愕。そしてタイトルから受けるイメージ=カネにモノ言わせる的な内容では一切なく、「価値のある使い方」という点、そして、自分のイメージを高めるためにどうふるまうべきか、「カネ」という直接的なものも含めて、「バリュー」という視点で描かれている。
「その世界」の話が多いので、読み物としては刺激的。いっきに読めちゃう感じ。内容的には直接自分に響くものは少ない。「芸能人某は、人気が落ちていると思われたくないので(ステイタスとして)常に高級車にのり続ける」「できるホストは将来的なリターンを見越しカネを使う。ケチくさいそぶりは見せない」等々、確かにそうだなあ、と思えることもあるが、それゆえに「底まで落ちてしまう人」が後を絶たないんだろうなあ、っていう穿った見方をしてしまったり。
本書のメインである(と思われる)、「目先の利益にこだわって支出を惜しむことは長い目で見た場合に得にならず」という考え方はハラに落ちる。多少の背伸びをしてでも「虚栄心」「ミエ」というのは成長するためには必要なこと。それに後付けで「中身」が伴っていけばいい。中身ができてから、という考え方ではレベルが一向に上がらない、ということは理解。あとはどれだけ「背伸び」をするか、という幅の問題だろうと思う。身なり、接待、人づきあい。すべてにおいて「背伸び」することは必要だと思う。それを自分自身に対する「刺激」にすればいいだけの話だから。
タイトルの割には、そんなことを考えさせてくれる本。「わかっちゃいるけど」という内容が多いのは事実だけど、「読み方」によっては刺激にはなる。

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2010/05/12

深い、けど自分には、まだ早い...


『成功して不幸になる人びと』ジョン・オニール
[6/71]BookOff
Amazon ★★★★
K-amazon ★★

これまで読んできた本は「どうやって成功するか」または「成功者はどうしてきたか」。この本はその「先」を行き、「その成功でよいのか」という、「成功」の「内容」を問うもの。成功を成し遂げた人たちが、実は何かを犠牲にしている(家庭だったり、自分を抑えつけていたり)ことを、「それでいいの?そうならないためにこうしましょ」という内容。
成功にたどりつくために自分の「裏側=シャドウ」に隠し続けてきたものが、成功に達したときに噴出しかねない。それをどう「ガス抜き」するのか。「シャドウ」に放り込まれたものを直視し、それとつきあう方法が説かれている。直接的には「充電」という言葉で表現されているが、自分では気づかない(あるいは気づかない「ふりをしている」)慢心ということが主テーマである。
自分はまだ「慢心」に至るほど成功に近づいていない、と思っているので、直接的には響く内容ではなかった。けれども「変わり続けなければいけない」「変わらないといけないタイミングをどうつかむか」という各論には「今」の自分でも参考にすべきところは少なくない。成功は、「成功する」よりも「成功し続ける」方が何倍も難しい。未だ「成功する」ことすらできていない自分にとっては「し続ける」域まで達してはいないけれども、一時的な成功のために何がどうあっても、どんな手段をとってもその水準に達する、ということが「し続ける」という将来を考えたときにはけしてよくはない、ということも認識できた。とはいえ、まずは「成功する」ことに達しないと、「し続ける」挑戦権も得ないんだけどさ...
特に「新しい」ことではないけれども、「変化すること」の重要性、そのための時間をとることの重要性(一歩引いて考える時間を能動的に作ること)、メンターの必要性...精神的に「仕事をすること」が最終ゴールになってしまう前に意識すべきことは多い。そうなってしまうと惰性で(仕事)時間が増えてしまったり、それで満足してしまったり、ということになりかねない。でも。実はそういう時期ってあった。「成功」とは(残念ながら)無関係ではあるけれども、「仕事をしている自分って素敵!」みたいな自己満足の塊になっている時期が。傍からみれば不格好だったんだろうなあ。
今の自分のように「成功する前」に読んでおいてよかったのかもしれない。成功するための道程を考えてみるきっかけにもなるね。
内容とは別だけど、わかりやすい事例もふんだんにあったんだけど、全体的になんとなく読みにくさを感じてしまった。それはなぜなんだろう...ひとつは(こまかいんだけど)「句読点」の置き方がなんとなく自分の感覚と合わないもどかしさ。それによって「翻訳だなあ」って思ってしまう(だからって「原書」を読める英語力はない)。これは訳者のせいかと思ったが、「あの」神田さんが監訳されているので自分の未熟さであろうと思う。

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2010/05/09

自分に近い...


『真のリーダーに導く7通の手紙』松山淳②
[5/70]AMAZON
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主人公の「わたし」が、ビジネスでの偉人である「あなた」(父)に向けて出す7通の手紙。その中で、ビジネス上の苦悩をめぐり、父を恨み、理解し、自分を見直し、成長していく。そんな過程を描く。特徴的なのは「わたし」が43歳であること。主人公が「成長」する過程を描いたものの中でこのトシのマネージャークラスがメインであるものも少ない。
正直、自分と重なっている部分が多い。重なっている、という現在進行形である。
・自分を仕事ができる人間だと過信している
・部下は自分より劣っていると「上から」見ている
・部下の話を聞く、それよりも的確な指示だけをしていればいいと思っている
等々、「リーダー」としてこれでいいのか?という部分は多く、それがここで苦悩する主人公と重なる。
幸い(というか意識的に)、自分も「それではいけない」ということに気づいてはいて、自分なりに改善するよう意識づけはしているつもり。「部下の話」についても、できる限りこちらの立場を除外して聞くようにはしている(つもり)。多少なりともそういう意識ができてくると、違う「世界」にいけたりするようで(これはまだ勘違いかもしれない。でも明らかに何か「見え方」が変わってきているのは自覚としてある)、まだ不完全なところがある、というか不完全であるのでこれをもっと意識付けしていきたい。
そういう環境の中でこの本を読んだことを「プラス」にできればいいと思う。「わたし」が同世代だとどうしても意識してしまう。「わたし」が成長していくのならば自分にできないことはない。バーチャルではあるけれども、ライバル視させてもらおう。
本自体は数時間もかからず読める。そこから何を感じ、何を得て、何を変えていくのか。ビジネス書の読み方、というポイントにもかかわってくるけれども、後につなげていかないと。
この本にも書かれていた。前読んだ本にも。「書く。書き出す」ということの重要性。日記か...どのような形態にするかは別にして実行しよう。今日から。「明日から」ではきっとやらなくなるから。


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2010/05/08

読むには時間がかからない本


『「見えない時間」で稼ぎなさい!』野崎美夫
[4/69]BookOff
Amazon ★★★
K-amazon ★★★

自分の苦手分野のひとつ(活かしきれない、という点で)である「タイムマネジメント系」の本。内容としては時間短縮のための手法の紹介、というよりはその考え方を説いているので、可もなく不可もなくすんなり読めた。著者の方はしらなかったんだけど、複数の会社を経営さえている「多忙」な方で、なんとなく文体から若い方を想像していたが、自分より10年上の50代ということ。アグレッシブな姿勢には共感。
著者が繰り返し説いているのは「1秒たりとも無駄にしない」ということ。これには同意。1秒の積み重ねが...というくだりは意識。自分でも歩いている時間(外国語講座を聞く)、電車の待ち時間(読書)までは到達している。まだ時間は探せるんだよね。けして推奨してはいないが、睡眠時間を削減する手法も紹介。これは無理だな。「早起き」系の説が一切なかったのは意外な感じが...
あと繰り返されていたことに「潜在時間」と「顕在時間」というものがあるが、これは正直よくわからなかった。「なりたい自分を強く意識して」というあたりは感覚的には受け入れられる。「潜在時間」たる睡眠時間の前後にこれを意識してみよう。気分、感覚はかわるかもしれない。
概ねは、どこかで読んだことのあるような情報ばかりで全体の抑揚もなく、いつのまにか読み終わってしまった感じは否めず。なかなか印象に残りづらいけど、「時間の価値をあげるべし」と説く著者が、けして「効率のよい方法」だけを説明してはいない、という点がプラスかな。「質をあげるためには、最初は量が必要」と明言されているのは、これは正しいと思う。そちらのほうが結果、効率的、ということですね。

2010/05/07

結構「ハード」な一冊


『「みんなの意見」は案外正しい』ジェームズ・スロウィッキー
[3/68]BK1
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タイトルだけをみると「軽い」感じがしたけれども中身は「濃い」。ばらばらの個人の意見もあるが、それが寄せ集まった「集団」の意見・評価も捨てたもんじゃない。いや、むしろそれの方が正しいということもある、という内容。この結論がまずありきで、あとはそれをニクヅケる事例が並ぶ。「認知」「調整」「協調」ならなにやら難しい論調になってしまって、途中でなにがなんだか分からなくなってくる。最近克服できた、と思っていた「ヨウモノ嫌い」がまたアタマをもたげつつあるような...
民主主義、税金などの「公」の事例、それから企業、渋滞などの比較的近い事例、それによって「読める」「読めない」が変わってきた。政治パートになるといまひとつ理解しずらい(アメリカをベースにしているから?)ところもあってけれども、「なんとなく」で読みすごしてしまったような...でも全体を通してみれば「こういう視点もあるのね」という点で面白く読めた。「みんなの意見」がそれなりに重要視すべきだ、という視点にたてば、この本でも繰り返し言われているような、「多様性」「独立性」「分散性」「集約性」が大事。まずは「多様性」を満たすためにも、「多様な」意見がでなくてはならない。基本的なことだけど「小さな集団」ではまずここが肝だったりする。これがでなかったら先に進めないから。
「科学」というところが一番おもしろかった。この分野は、誰かが論文を発表するとそれを元に別の誰かがニクヅケをしたり、それをベースに違う視点から見たり、結果その「みんなの意見」の集約=科学的論拠の価値が向上する。それは「個人」では不可能な点であり、多様性・独立性をもった「みんなの意見」の集約で成り立っている。これは明快なところだった。
あと、個人がそのひとりひとり、という視点に立てばそんなに(こちらが思うほど)理論的には動かない、結果「集団」としての動きがある程度「理論的」(に見える)だけ、という点も改めて感じた(そういう記述はないけど)。通販の仕事で「顧客分析」なんぞをみているときに思うこと。個々人の「動き」にもちろん一貫性はないけれども、ある程度の「集団」になると大きな動きって見えることがある。そういうことを言っているんだなあって(勝手に)思いながら読み進めた。

最後まで読んで最後の最後「解説」のところにあった、
「集合知」はそれが正しいとしても、その結論にいたった根拠、またそこから改善の余地、これらが見えない、もしくは存在しない、というのは胸のつかえがすーっとするものであった。本書の主論点をある意味否定することではあるけど。

これまで「通販は(事業者として)心理学であり、統計学だ」と思っていたけれども、もしかしたら「科学」なんじゃないかって思い始めた。統計学で判断してはリスクがある場合もある。終わりのない「科学」。まさに集合知の結集であるところの科学。そう思うと納得できるところがあったり。これによって具体的に何をどうする、ってのは難しいけれども、「考えかた」の新しい視点(そんなに難しいことではないけれどもこれまで気がついていなかった、という意味で)の入り口には立てたかもしれない。そういう意味で貴重。

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2010/05/03

「知らなかったこと」に反省。「知ろうとしなかったこと」に猛省


『キング牧師』辻内鏡人・中條献
[2/67]Library
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「キング牧師といえば?」の問いに対して、「黒人の開放運動の指導者...か?」くらいしか答えられない自分がいた。前回読んだ本にその主題たる「サーバントリーダー」の例としてあがっていたのが、このキング牧師。さて読んでみるべし。
アメリカにおける黒人の問題は、日本で生まれ育った自分には計り知れないものがあるのだろう。そして現代において例えばオリンピックなどのイベント、その他報道で目にする限りのアメリカには「差別問題」はずーっと過去のもの、のように写るときがある。が現実はその「差別問題」が顕在化していたのはそう昔の話ではないし(キング牧師が暗殺されたのは40数年前)、現在も「完全」になっているかどうかはわからない。
「差別」といういわれのない、しかしながら根深い問題に対して、あくまでも非暴力で「愛」を貫くキング牧師の姿勢...宗教的な面がなくはないけど、リーダーたる所以はやはり「愛」だったりするんだろうと思う。
39歳。その短い生涯を終えてしまったのは神の導きなんだろうか...その後少なからず公民権運動がよい方向に進んでいる(んだろうと思う)のを彼は喜んでいるのだろうか。同胞に尽くし、支え、アメリカという国レベルでの広がりを考え...サーバントリーダーとはつまりキング牧師のこと。

岩波ジュニア新書を久々に読んだ。中学生向け?ゆえ読みやすいけど、オトナでも十分。こういう本も今後読んでいこうと思う。いいきっかけになった。いいきっかけにする。


2010/05/02

ここに集約できそうな気も...


『サーバント・リーダーシップ入門』池田守男・金井壽宏
[1/66]BookOff
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以前から「サーバントリーダーシップ」というフレーズはある人から教えられていて、読んでみたいと思ってはいたが、何せ[¥2,940/576ページ]という「大作」なので、
これはココロガマエができてからかな..って思ってた矢先BookOffで出会ったのが、この「入門」だった。「サーバントリーダー」というこの言葉自体に馴染みがなく、かつて同じように「馴染みがないフレーズ→読んでみて結局合わず」だった、「コーチング」の二の舞にならなければよいなあ、と思いつつ...
「サーバント」を「召使い」とイメージするとよろしくないのだが、これは「尽くす、支える者」という意味で捉える。社長が社員を支え、社員は現場を支え、現場はお客様を支え、つまりは「お客様」という目標が明確になり、すべてのかかわる者がそれに顔を向ける。ということ。
これをといているのが資生堂の元社長というのも興味深い。資生堂って会社はなかなかその内部を目にすることがないし、そもそもこの社長が「建て直し」たのか、「立て直す必要があった」のかどうかもわからないけど、池田社長はその組織イメージを、「逆ピラミッド型」で捉えた。つまり社長が一番下。お客様が一番上。この話が何度かこの本に登場するんだけど、結構明快で、従来の「タテワリ」がこびりついている人の「意識」を変えることもできるんじゃないかって気もした。この本はこの社長さんと大学の先生の共著になるんだけど、やっぱり社長の話の方が圧倒的にリアル感があって面白い。
考えてみれば、最近気になっている、「お客様満足←従業員満足」とか、「チームビルディング」とか「意識共有、意識改革」とか。すべてこの「サーバントリーダーシップ」に集約するんでは?と思ってしまう。若干この本の内容は宗教的なところもあるけれども、無宗教の私であっても(「サーバント」という言葉はしらないけれども)「尽くす、支える」意識がなくはない。それが徹底できているかいないか、という点であって、考えは及んでいる。社長いわくは「サーバント・リーダーは『支える』と同時に、『トップダウン』でミッションの共有を図る」ことも可能、必要と説く。確かにそういう軸がないと全体に筋が通らないよね。
もちろんそんなに簡単にはいかないけれども、自分自身の意識改革も少なからず必要だけれども、これまでの「リーダー論」とは違って、自分の進むべき方向についてヒントをもらった。それに邁進するだけ。迷っている時間はないからねー。

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