2010/01/31

どうしても違和感が...


『勝つまで戦う』渡邉美樹③
[16]BookOff
Amazon ★★★★
K-amazon ★★★

政治、経営、お金、仕事、価値観、教育、そして夢...ワタミ会長の渡邉さんの「考え方」が凝縮されている...という内容。前に読んだ「戦う組織~」ってやつは、はっきり言って著者の「独断」が行き過ぎて好きになれなかった。それに比べれば、ところどころに「ヒント」はある。
・現在の自分の能力の121%に目標設定
・今置かれている環境は「前提である」と思う
・自分が「浮く」ことで仕事を俯瞰する
等々。初めて目にする、という斬新さ、ではないけど、それなりに再確認、はできた。うん。
でも、やっぱり、著者の本はすべてを「私」に置き換えて書かれていて、「こうこうすべし。私はそうやってきた。だから成功した。成功していない君たちもそうしなさい」というのが見えてしまう。著者が優秀であることはもう知っているので、「謙虚」がこの項目に加われば、もっとよい内容になるんじゃないかな...

夢を設定して、夢に日付を入れる。これは著者がほかの著作でもたびたび主張している内容。これはこれで自分にも意味がよーくわかる。けども、その直後で「日付」を入れない方法もある、というような書き方をされると、どうもよくわからなくなる。その場(読んでいる途中)では理解できても、後になると単に「ブレ」があるなあ、としか思えなくなる。「政治」の項目で、「政治に関心を持とう。でも政治家になっても何もできないから私はならないよ」っていうのも、そう。
ある意味「現実的」なんだよね。でも、ひとつの本の中で、理論と現実を平行して書くと「ブレ」みたいに思えちゃうんだよなあ。

少なくとも、タイトルにつけられた「勝つまで戦う」というフレーズの意味は、読み終えてもついにわからなかった...

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2010/01/29


『できない人ほど、データに頼る』アンディ・ミリガン、ショーン・スミス
[15]Library
Amazon ★★★★
K-amazon ★

「データに頼」りがちな自分としては、かなり刺激的なタイトル。特にここ最近「データに頼る」ことに限界を感じつつある中で、それを打破できるか?、何か見つけられるか?期待大。
がしかし...残念ですが、見つけられず。というよりまったくアタマに残らない内容だった。「見て感じて考えて実行する」先日読んだ寺田さんの本に書かれていたことと同じなんだけど、そのフレームワークは一緒でもまったく役立たない。ゼロでした。この本の内容について書くことは無し...

データに頼らない、というのは自分でも感じている考え方。ただ、この考え方ができる、またはこういう考え方をしていいのは、「データに頼る」時期を経てきた段階にある者、なのではないかなあ、って考える。「見て感じて考える」流れの中で、まず「見る」。これができるのは自分の中に一定レベルの「データ」が蓄積されていないと「見る」ことができない。実は「見る」ってことは非常に難しい。「見える」のは簡単だけど、どこをどのように「見る」のか、これはスキルだと思う。そのスキルを養うのはほかでもない、「データ」である。ベースがなければ「データに頼るな」って言えないわけですよ。当たり前だけどね。

まあ、図書館で借りた本だからまだよかった。これを買っていたら、と考えると...

2010/01/27

ヨミモノとしてはOK


『空気のトリセツ』指南役②
[14]Library
Amazon ★★★★
K-amazon ★★★

一般的「レベル」までになった、『KY』という言葉があるが、その「空気」について書かれた本。所謂「ビジネス本」ではなく、「コラム」的な要素が強いので、気軽に読めた。
会議における「空気」...発言のタイミング
時代の「空気」...ハヤリモノの出現するタイミング
選挙の「空気」
「KY」という言葉を使う理由
等々、いろいろな場面における「空気」を「解説」してあって、「そうそう、そうだよねー」という感想で、読後もけして悪くはないんだけど、じゃあ何が残ったか、というと...著者が本書の中で「空気」(この場合は「場の勢い」という意味)は、短時間で薄れる、という話を書いていたが、まさしくこの本を読んだこと、も薄れていってしまいそうだ。
多分その理由は、「空気」が影響を及ぼす場面についての解説は豊富、でも、その「空気」に乗る、もっといえばその「空気」を変えるにはどうすればいいのか、というポイントがないので、書いてあることを参考に、という発想が結びつきにくい。まあ、そーゆー読み方をする本ではないし、そういう視点を持つこと事態が「KY」なのかもしれないけど。
たまたま最近「トレンド」に関する講義を受けた。「トレンドは流れである」というのがポイント、とのこと。つまり「空気」も同じことなのかな。ちょっと前には「場」という言葉で表されていたのかもしれない。って言葉が変わっただけでわりとスタンダードな考え方なのかもしれないね。
構成作家らしく、やはり読ませる、という点においてはすごい。表現の方法について学んだ、というのを自分の成果としよう。

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「対策」を読み終えた充実感

『セムラーイズム』リカルド・セムラー
[13]AMAZON
Amazon ★★★★★
K-amazon ★★★★

ブラジルの小規模メーカーの2代目が、会社を「変えた」話。ここには「効率化」というレベルの内容はなく、考え方そのものを「変えた」そのレベルに驚愕である。
ピラミッド組織から同心円型組織へ、サラリーの自主決定、部下による上司の評価査定、社員の企業家独立支援...訳者があとがきで「ラジカル」と表現しているが、まさにぴったりな表現と思える。「給与の自主決定」は別として、そのほかの「変革」は実はここ日本でも概念的にはもっているものかもしれない。けれどそれが実行されているかどうか、また運用されているかどうかは別問題で、おそらく運用しているところは実際にはないと思われる。
服装はもちろん、時間についても、従業員の自主的な決定による。組合、工場委員会の行動も枠にはまっていない(むしろ会社がその行動を支援している)等、現実としては考えられないことを実行してきているところに驚く。訳者によれば、これらの前提としてブラジルの仕事環境にも起因するところがあるようだが、もちろん当地の企業がこのような考え方ばかりではないだろう。
根本的には、従業員に対する「信頼」、多少曲がった表現とすれば「性善説」を前提にしている。当企業の代表である著者は「従業員の満足度」をなによりの目標としてかかげ、それが出来て初めて、製品の質向上や、会社の体質強化につながる、そんな考え方の持ち主。
これはそうそうできることではない。考えることはできる。でもやっぱりそこまでできる自信は正直ない。父親から引き継いだ会社を立て直すため、また国全体の経済環境の悪化から会社が傾きかけたときのリカバリーとして、そんな状況のときに、まずは「企業に働く人間のあり方」を変える、という視点に立てることがまさに尊敬に値すると考える。
なかでも「起業支援」、つまり、社内における特定の分野で才能を発揮できている人は、その分野における起業を会社として支援する、そしてその独立した会社との関係(具体的には「発注する」ということ)を気づき、そのような流れから会社本体のスリム化も計れる、というのがメカラウロコ。この概念自体はなくはないと思うのだが、将来的に「本体」への復帰もまったく問題ない、というあたりが、この流れの優れている点であるかと思う。社内はスリム化、独立した人間はモチベーションUP、発注先としてこれほど適した(本体のことをよくしっている、という点で)パートナーはない、いいこと尽くめ、である。
そう、なにも社内で全て完結しなくてもいいということ。これとはレベルが違いすぎるけど、多少「考え方」としては今の自分の環境においても流用できないことはないかな。

文庫版で文字が小さい上に500ページに及ぶ大作(世間的にはどうかわからないけど、自分にとっては久々の「大作」であった)。が、後半に及ぶにつれ面白くなってきて、集中力がたかまってきた、という文書の魅力もある。
余談だけど、所謂「ハウツー」もの、とくに「勉強法」類の本には、「読書の方法として1冊の本を全部読む必要はない」みたいな書き方をしていることを目にする。が、やっぱり「読了」することも大事だと思う。自分にとって、この本はまさに「途中離脱」しかけたけど、今こころから「読み終えてよかった」と思える。小さな達成感かもしれない。でも大事だと思う。

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2010/01/24

こーゆー時に限って

図書館に返却に。未読がたまってきたので今日は借りないつもり。が...「見るだけ見てみるか」感覚で見た棚には珍しく「読みたい本」が...で結局なんとか絞り込んで「2冊」だけ借りてきた。
ん?もしかしたら、そういう環境だから余計に「読みたい」という気持ちになったのかもしれない。そういえば以前読んだ本の中に「積読」が読書の習慣をつけるきっかけにもなるって。確かにそうかも。いずれにしても結果すべて読まなければまったく意味がない。さあ、がんばるぞー。

2010/01/23

結構「ヘビー」だが...

今読んでます『セムラーイズム』。
「文庫本だし...」と思っていたが、行が詰まっている文庫での550ページはかなりヘビー。
3日たってもまだ1/3しか読めてません。ん...でも読むっ。何があっても。
この本を薦めていただいた方が「読み応えがある」とコメントされていた意味がわかりました...

2010/01/20

まさに「脳」に刺激があった!


『脳と気持ちの整理術』築山節②
[12]BookOff
Amazon ★★★★
K-amazon ★★★★

いいです。何の事前情報もなしに「たまたま」書棚から取った本が前著。で、さらに読みたくなってこの本。著者は脳神経外科医ということで、「脳」についてのことを中心に書かれているが、テレビで有名な茂木先生とはちょっと違って、文面にも穏やかで丁寧な、そして信頼できる感が漂っている(茂木先生の本も好きです。念のため)。
本著は、「アイデアを創り出す」ことを目的に、そのためには脳がどういう状態であればいいのか、アイデアを生み出す環境にするために、どういう気持ちの整理をしていけばいいのかを、具体的に親切にアドバイスしている内容。それは情報の整理だったり、記憶の植えつけ方だったり、もっと具体的に机の上の整理だったり。ここで書かれていることは、すぐにでも実行しようと思えることばかり。
・情報(の定着)は、入力(=読む、見る)だけではなく、出力(=話す、書く)すること
・気持ちの整理の為には、アイデアは朝考える
・嫌なことはなくならない、その前提でどういうふうにバランスをとっていくか
・脳は「変化」に対応するもの。その機能を把握した上での仕事術
いいなあ、さっそくやってみよう。
著者のいいところは、「こういうふうにしなさい!」ではなくて、「これが理想的。でもできない環境にある場合はこうしましょう」という幅を持たせたアドバイスであること。これが結構「ゆとり」を感じさせてくれて、これならできるかも、これならやってみよう、という気持ちにさせてくれる。優しい。気持ちいい。
なによりも、
・脳の機能として、「少しずつ、一歩ずつ」という情報入力が、長期的にみると一番よい
・すぐに結果を求めることよりも、ある程度の「待つ」考え方が大事
というあたりが実社会にいる人間には一番大きなことかもしれない。
さあ、早速実行!

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2010/01/19

もう一度読んで見たい本


『3週間続ければ一生が変わる』ロビンシャーマ
[11]BookOff
Amazon ★★★★
K-amazon ★★★★

以前に読んだなんかの本に引用されていて記憶に残った状態で、BookOffで「出会った」本。そもそも「外人」著作に弱い自分ではあるが、タイトルにもあるように「続ける」ことを目標にトライ。

良かったです。
若干、環境の違い(通勤=車、という位置づけなど)はあるけれども、それぞれ響くフレーズはたくさんあった。共通していえるのは、
・感謝の気持ちを持ち続けること
・愛すべき人たちを愛すること
・目標に向けて努力をすること
すぐに仕事で活かせるような「直接的な」ヒントはない。けども、一生残る(残りそうな)ヒントはある。邦題からすると、テクニック論であるような印象がなくはないけれども、大げさにいえば「哲学」に近い。
最近思うこと。この本で改めて感じたこと。全ての社会活動(営利目的である今の仕事も当然に含む)は、「テクニック」と「マインド」の両立であること。これまでは「テクニック」のみでなんとかなったかもしれないけど、「マインド」つまり、「感謝の気持ちを持ち続け、貢献すること」が欠けているとこれからは成り立たない。一般的な意味での「顧客第一主義」ではないだろう。これだと、テクニックの上にマインドが乗っかっているイメージだが、これを逆に考えなくてはいけないんだろうね。というかそもそも自分が消費者である場面をイメージすれば簡単に導かれることではある。朝出社するとなぜこれを忘れてしまうのか?いけないいけない。例えば...「売上」が芳しくないとき、ついイライラしてしまう。その時点で「感謝」の気持ちはまったくアタマから消えてしまっている。他のメンバーには「注文を『1件』と思うな、『1人』と思え」といっておきながら、これ。いかんねー。常に意識せねば。この「意識すること」を3週間続ければ、「一生もん」になるのかどうかはわからないけど...
といっても、「マインド」ベースの「テクニック」付加、という構成であれば全て成功するとは限らない。「甘い」という人もいるだろう。かくいう自分もつい最近まではそういう考え方だったことを否定しない。けれども、これって大事なことだと思う。思う、ではなくて、大事。これに気づいたことが半歩前に進めた、ということであればいいんだけどね。
翻訳本は、ちょっと表現がアタマにすんなり入ってこないケースもある。実際にこの本もそういう場面が少なからずあった。でも、もう1回、時間を置いて読んで見たい本である。そして著者が引用していた本も読んで見たいと、思った。
久々に「洗われた」気がする。

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2010/01/17

後半失速ぎみに...


『価格、品質、広告で勝負していたら、お金がいくらあってもたりませんよ』川上徹也②
[10]Amazon
Amazon ★★★★
K-amazon ★★★

前に読んだ『仕事はストーリーで動かそう』が結構響いて、今年の仕事上のキーワードは「ストーリー」である、と決めたほどで、さらにその気持ちを高められるのでは、という気持ちで読み始めた。前半は期待感をさらに高めるものであり、事例としてあげられている各社の「ストーリー」も、かなり共感、というか感嘆する場面が多かった。著者が「敢えて有名ではない商品、店を挙げてみる。そのほうが「ストーリー」の力がわかりやすい」という狙いはあたっているかと思う。
が、その「感嘆」が大きすぎるせいか、その事例紹介が終わって後の、著者の「本題」がかなり薄れてしまった。「ナンバーワンよりもオンリーワンを目指せ」とか、結構いいことを言っていると思う。けれども、事例に紹介された店舗の取り組みの方が、伝わってくるものが大きいので、後半、さらには終盤の「まとめ」場面の印象が非常に薄い、「尻すぼみ」になってしまったような...
「ストーリー」を標榜している本にしては、それ自体の「ストーリー性」が弱いような気がした。自分にはストーリーを描くスキルがないので、えらそうな言い方になってしまうが、例えば著者のかかわった案件での失敗事例とか、そういうのがあったほうが伝わる、ってこともあるんじゃないだろうか。そんな余計な深読みも、もしかしたら著者の「戦略」かもしれないけど。
まあ、そんなこんないろいろと考えるきっかけにはなった内容。読みやすいけど、もうひとつ「深い」といいなあ、って思った。これは以前同著者の本を読んだ時点からの私自身の意識の変化(進化、とはまだいえない)かもしれないけれども。

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2010/01/15

なかなか「硬派」な...


『実践的リーダーシップの鍛え方』堀紘一
[9]Library
Amazon ★★★★★
K-amazon ★★★★

堀紘一さんって、「朝まで生テレビ」の印象が強い。っていうかそれしかなくて、ボストンコンサルティングの社長だったことなど、その経歴はまったく知らんかった。で私の中ではある種「有名人」であり、あんまり著作のイメージさえなかったんだけど、たまたま図書館で読みたい本が見つからなかったときに、「名前を知っている」というポイント(だけ)で選んでみた。
大方「有名人」の本はハマらないことが多いんだけど、この本は「意外に」面白かった。若干著者ご自身の「器の大きさのアピール」が見え隠れしなくはないんだけど、簡易な(って言葉が適切かは不明)リーダーシップ系の本よりは、硬派で男っぽくて、それなりに読めた。
アリストテレスの説く民主主義哲学が究極の考え方だ、といっておきながら、私の思考の元は聖徳太子のそれである、と書いてあったり、今の若者は長期的な視点を持つことが出来ずにすぐあきらめて転職する、と苦言を呈しながら、ご本人も最初の新聞社を数年で「合わないから辞めた」と言ってみたり、ってところはあるにせよ、今の、そしてこれからの日本社会を見据えたうえで、本当の意味での「実力主義」、即ち会社に利益をもたらしたものが、そのもたらした利益に応じて報酬を得る、という主義をもっていたり、小泉政権によってもたらされた(?)「格差」を肯定する姿勢を見せたり、このあたりはすごく共感した。実際に社会で「戦っている」立場からすると、まさにこれであり、戦わない弱者を保護するような社会は必ずしも正解ではない、と個人的にも思う。もちろん全く救済すべきではない、というわけではないけど。でもこういう賛否両論ある点について、ズバっと自分の意見を主張する姿勢は、正直なかなかお目にかかれないわけで、それは結構スッキリしたり。
本当の意味での「リーダー」たるにはどうすればよいのか。そのノウハウを、っていうスタンスで書かれている、というフレコミではあるが、メインは精神論。故、「明日から実践してみよう」的なヒントはないけれども、意識は強くなれる。読んで正解。

なかなか「硬派

2010/01/14

昨日、Twitterで「本」関連をつぶやいている人たちをフォローしてみた。めちゃすごい。ホントに読んでるの?つぶやいてるの?って感じ。まだまだ足りないなあ、って自覚。
さて、その中から早速参考にさせてもらって本日AMAZONで購入。ここのところ、「話題」といわれ、複数の書評ブロガーの方たちが取り上げてる(良くも悪くも)本は読まずにはいられなくなってきた...

2010/01/13

「深層心理」ってほどでも...


『深層心理で売る技術』内藤誼人②
[8]Library
Amazon ★★★★
K-amazon ★★★

「モノが売れない時代」において、「心理学」に興味を持つのは自然な流れか。自分も消費者行動についてはモノすごく関心があって、広告だけでなくお客様とのコミュニケーションにおいてもそれが不可欠であると認識している。それは不可欠であろうと思うが、じゃあどうしたらよいのだろう。ここでいつも躓いてしまう。
そのようにもがいている中で少しでもヒントになれば、と思ったが、この本においては「それ(「購買心理学」)が大事だ、よ~く考えるべし」というレベルでとどまってしまっている。自分にとっては「そこまでは理解できているんだけどなあ」という物足りなさを感じてしまったが、故に、読みやすかった。すらすら。
『思考の整理学』でいえば、これは「既に知っている知識の再確認」の為の読書、にすぎないのだろう。けども少しは役立ったかな。少なくとも「そうそう、そうだよね」って、普段考えていることが方向性として誤っていないことがわかっただけでもいいかと。
再認識、はできたけど「次」に進むにはどうしたらよいのだろう。「あとがき」にも書かれていたけど、著者は心理学者でありマーケティングは専門外。少し考えてみれば、「深層心理で売る技術」というわりには「驚き」がなく、「へぇ~」が少なかった。まあ、「とっかかり」だね、あくまでも。
同じ著者の本は以前『レジ待ちの行列~』を読んだけど、それに比べればダンゼンよい。ただ、消費者、顧客の購入行動の心理をおおまか一般的に述べているんだけど、既に5年以上前に書かれていることもあり、ここからの5年間でもさらにその「行動心理」は大きく変わっているんだろうなあっていうのが実感。なのであくまで参考として読んだ。時代の速度は速いね。

2010/01/12

この手(「作り方」系)は苦手...


『リストのチカラ』堀内浩二②
[7]BookOff
Amazon ★★★★
K-amazon ★★

ここでいうリストとは「~カ条」「~つの原則」とかいう、自己啓発、生活信条にかかわるもの。所謂フレームワーク的なもの。これはこれでそのまま覚えてしまえ!というものの紹介と、自分で作ってしまえ!というものの作り方。確かに「作る」となるとその周辺、つまり考える、整える、といった工程が発生することで、自分に役立つことも多いとは思う。思うけど、「とりあえずまずは作ってみよう」という気にはならず...まあ、「ありもの」を自分の環境にアレンジすることくらいか...
どうも、この手の「自分で作ってみましょう。作り方はこうです」的なものは苦手。読むのが辛い。少し前に「ビジョンの作り方」が書かれている本を読んだが、そのときとほぼ同じ感情になって、「今はいいや。早く読み終わっちゃえ」という流れになってしまう。これがそもそも「自分の今の仕事の棚卸しができない=効率化ができない」大きな要因であるとは思うのだが...
・有能なマネージャーの8つの習慣
・よい人間関係を築くための10か条
・失敗から立ち直る5つのコツ
魅力的なものは少なくないのだが、既に忘れてしまっているのが現実。どちらかといえば、無意識レベルに入ってきたものを「後付け」で、「あーそういえばそういう流れだなあ」って感じることが現実かも。「作っちゃう」方は、人前でのプレゼンとかには役立つかもしれない。そういう機会はあんまりないけどね。
いつか役立つ日がくるのかどうか...読むタイミングによる、かな。

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2010/01/10

刺激を受けた。でもバイブルには...

『アイデアのつくり方』JWヤング
[6]AMAZON
Amazon ★★★★
K-amazon ★★★

もう20年以上の前の本ではあるが、最近も目にする機会が多く...以前読んだ『思考の整理学』と同じようなスタンス?ただし、こちらの本は加えてかなり「薄い」。本文は70ページ足らずだ。この中に、なんらか見出せる「価値」はあるのだろうか...
訳者あとがきで触れられていたように、原文もわかりにくいのであろう。そして訳文もけしてわかりやすくはない。量としては少ない内容ながらすらすらと読むにはちょっと辛いところもあり(英訳にありがちな「~しない限りはそれを得ることはできないだろう」などの否定をいくつも含む文があったりする)、別の方の「解説」がわざわざ用意されていたり(分量として本文の30%近くの「解説文」っていったい...)。
でもさすがにアイデアのヒントはあった。ん?「アイデアを作り出す方法をみつけるアイデアのヒント」があった。ややこしい。
端的にいうと、「アイデアは組み合わせである」と。どんな組み合わせかというと、「一般」情報と「特殊情報」のそれであり、それを取得するための努力と、その情報量がつまりは原資、アイデアを生み出すためのオオモトである、ということ。当たり前かもしれないけど、その当たり前ができていないことのほうが多かったりするし、それがアイデアというアウトプットの量、質にかかわってくる、というのを再認識できた。
そして...アイデアをつくりだす過程で「醸成する」、つまり考え抜いた後、一旦ほかのことを考えるなど、つまり「寝かせる」ことにも触れている。これって『思考の整理学』に書かれていたことと符合する。そっか...このフローで抜群のアイデアを産み出した経験はまだ無い。でもそこまで考え抜いてあとは熟成、というレベルに早くもって行きたい。努力するのみだ。

2010/01/09

こういうヒト、いるね。

『不勉強が身にしみる』長山靖生
[5]BookOff
Amazon ★★★★
K-amazon ★★

タイトルはいいですねー。逆説的に「大人の勉強」についてモチベーションをあげてくれそうな気がする。読んでみる。冒頭、いいですねー。「子供たちにいう前に、そもそも大人が勉強していない」お、これも先行き期待感たかまる...「自分(著者)自身含めて、勉強するためのマインドは?」さあ、読んでいこう。

読後の感想ですが、自分には正直面白くなかった。結局一冊を通じて著者が言っていることがわからない。一貫していないから、なのか、話題が「哲学的」だからか(著者には「不勉強だっ」と怒られそうだが)、いずれにしても難解な文書(ところどころが敢えて「フレンドリー」表現になっているので余計に浸透しにくい)で、ダメでした。
冒頭は「そもそも勉強ってなんだっけ、といった事項を思い悩むドキュメントである」というスタンスである、という書き出しだったけど、結局は他者への「説教」が延々続くイメージ。しかもその説教されている内容の本質が伝わってこないので、こういうのって「される」側はタマッたもんじゃないよね。
唯一同感できたのは、「ゆとり教育」に対するところくらい。けど、これはこの本の本質ではないけど。

この本を読んで、「不勉強が身にしみる」ほどの下地は、まだワタクシにはないようです。まったくモチベーションはあがりませんでした。ほとんど著者の伝えたいことが伝わってきません。まだまだ力不足だなあ。ただ以前読んだ池上さんの『わかりやすく伝える技術』『伝える力』という本が想起されてきました。

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2010/01/08

「自分」は変えられても...

最近、仕事上のパートナー(外部の方々)の意識の低さに、改めて悩まされている。
もちろん自分に非がないわけではないけど、「熱」を共有できないもどかしさ。「他人は変えられない。変えられるのは自分だけ」ってわかってはいるけれど...う~ん、「変えられない」自分が未熟なのかなあ。そもそも「変えよう」と思うこと自体が間違っているんだろうか。
本を読むようになって、少しは自分の意識を変えられたと思う。そしてこのブログもそれに少しは役立っていると思うんだけど。でもそれって「人を見て」自分を変えようと思ってやってきたこと。そういう意識を持ってくれるようになればいいんだけどな。
難しいね。

2010/01/06

徹底することの大切さ。でも若干の違和感...


『デッドライン仕事術』吉越浩一郎
[4]BookOff
Amazon ★★★★
K-amazon ★★★

以前社内の誰かが紹介していた。そして書店、BookOffでもよく目にする。基本的に「定時で終わらせる」ハウツー本はキライなのだが、話題の本となれば一度は読まなくては。
タイトルにもあるように、
全ての仕事に「デッドライン」を定める。これは非常によい「ツール」だと思う。著者の主張する「定時に終わらせる、と決めたらそれを厳守する」という意味を超えて、だらだら先送り、という非生産的なフローを避けるにはこれが一番であることは疑いようもない。と、今の自分の周りを改めてみてみるとこれができていない。本書の前半(序盤、かな)を読んでいて、改めてそれを認識して、意識的に徹底してみようと、実行してみようという気になった。さっそくその「餌食」になったのは、たまたま新年の挨拶に来社いただいた広告代理店の営業担当だったけど。これは「基本」なんだろうね。
けれど...「残業禁止」は、だらだらと残業する「体質」を改め、決められた時間内で効率をあげることが最重要であり、これができていない企業、人間がほとんどだという主張。時間内は徹底して集中、時間外は自分の為に時間を使う、つまり本質的な意味での「ワークライフバランス」を実現する。これはこれで間違ってはいない。ただ、時間内で最大限集中して仕事をして、それで定時で帰ることが本当に正しいのかどうか。そもそも「定時」って、会社、法律が定めた時間の「枠」であって、それに縛られる必然性はいったいどこにあるのか、という疑問がある。おそらくは「時間内集中」にプラスして何ができるか、何をしたいるかによって、そのアウトプットが変わって来るんではないかと考える。自分も「残業ありき」ではもちろん考えてはいない。ただ「定時」という枠組みをそもそも前提にすることがはたしてどうなのか、という疑問。
また、本書では社員には「残業禁止」(強制的に「消灯」までしたそうで...)しているにもかかわらず、そしてその「残業禁止」のメリットをさんざん説いているのだが、社長ご本人は「持ち帰り」「休日」にも仕事をされていたそうで...なんだこれ?
若干の違和感は、そこにある。そして、この本を読んでいる限りは、著者のマネジメント手法は必ずしもイマの現場の実態に即していない、という感じを受ける。「現場に近いことが重要」と説いているが、本当に「近く」にいたの?いた「気がしていた」だけでないの?という感じが...最近感じる「現場感覚」がここからは読み取れなかった。
「デッドライン設定」は疑う余地なく実施すべきこととして、もうひとつ。この前に読んだ本と同じ内容のこともあった。曰く「考えて行動する」こと。やっぱりこれがキーワード。

読んだ本の評価のひとつに、「再読してみたいかどうか」というのがあるとすれば、この本は「1回で充分」という印象。なんとなくBookOffに著者の本がいっぱい置いてある理由がわかった気がする。


2010/01/05

やっぱり「現場」からの話は熱い!


『3年に一度は「勝利の方程式」を変えなさい』寺田和正
[3]AMAZON
Amazon ★★★★
K-amazon ★★★★★

サマンサタバサ...ブランド、とくにアパレル系に関しては全く無関心な私にはどれくらいのレベルなのか皆目わからない。パルコかどっかで見たことがあるような気がするが、「日本発」ブランドとはしらなかった。その社長の本。尊敬するI氏の紹介で、紹介を受けた忘年会の席で注文した本。期待大。

分野は違うし、著者が置かれていた環境とも違うけど、ものすごく面白かった。タイトルこそ、自分のあまり好きではない「~しなさい」となっているけれども、現場から距離のあるコンサルが絶対に書けないような「ライブ」感のある内容。こーゆーのはいいね。熱いね。

曰く、
「人事もパートナーも『好き嫌い』を優先する」
「自分は一所懸命なつもりでも、完全にできているわけではない」
などなど。
そして何よりも、(タイトルにもあるけど)
「勝利の方程式を見出しても、それが未来永劫続くわけではない。
それを環境に応じて、早めに変える勇気をもつこと。これによって成長が得られる」
ということ。これってできるようでできないこと。見方によっては「それって『方程式』じゃないじゃん」って思ってしまうけど、今の時代、「ピンチをチャンスに変える」ためには絶対的に必要なこと。著者が何度も説いているように、
「感じて、考えて、行動する」
これって深い。これを常に意識しなければ、と思う(読み終わったばかりで鼻息が荒い)。まずは「感じ」とること。これには自分が置かれた立場、環境の変化をタイムリーに掴み取ることが必要。そして「考える」ことは言うまでもなく、何より「行動する」こと。行動しなければ変わらない。変わらなければ成長できない。シンプルなようで、ディープ。この本ではさらっと言っているけれど、これを「さらっと」言えるのは、まさに現場で実践してきた著者だからこそ、なのだろう。英雄は苦労を表にださない、けれども著者もおそらくは私レベルでは想像できないほどの「苦労」をしてきたはず。だからこそ、言葉だけの表面的なものだけではなく、読んでいる「私レベル」にもその重みが伝わってくる。

年の初めにとても良い本を読んだ。これを自分自身の「勇気」に変えたい。
今年のテーマは「変化」だ。

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2010/01/03

「理論」として抑えるべき...なのかな


『顧客力を高める』平井孝志
[2]図書館
Amazon ★★★★
K-amazon ★★★

モノが売れない時代、もっと言えば、「(かつては売れていた手法では)売れなくなってきた」時代において企業側がたつべきスタンスは?持つべき考え方は?ここ数ヶ月公私ともこの課題の閉める割合が高まっている。「お客様の立場にたって」「お客様に近づく」...ある意味「答え」は見えているんだけど、じゃあだれがどうやって?という現実面には落としきれていない。あくまで概念として理解しているにすぎない。
そんな状態の現状、少しだけ背中を押してくれる(かもしれない)内容の本であった。つまりは「顧客に近づく」「顧客を知る」「顧客と同じ『場』にいる」ことを、全員で意識して行わないと..っていうこと。これも「再認識」にすぎないのかもしれないけど、「こうするべきであろう」と漠然とアタマで考えているだけのレベルからは先にいけるかもしれないヒントがある。
つまりは「人」である、ということ。ツールでもITでも、それは解決策ではなくあくまで「ツール」であり、これらを導入すれば、はい完了、とは絶対にいかない、ということ。これってわかっているようで実はまだわかっていないこともある。なによりツールを薦めるベンダー側にそういう意識がないからね。
著者が主張する「顧客力」について、象徴的な記述であった、と個人的に思うのが、
例えば、ある企業の「○○キャンペーン」が大成功したとき、
「あのキャンペーンの内容のどこがいいのか?」
と考えがちだが、「顧客力」の観点からすれば
「なぜ、あのような斬新な打ち手を繰り出せるのだろうか?」
これに対する答えを探し出すこと、これが「顧客力」である、ということ。なんとなくわかったようなわかんないような、だけど、そういえば成功したキャンペーンに類するような「内容」を考えがちなのは事実かも。それをやってる限りはそれを超えるものは創造できないんだよね。
読めばそれなりに前進できる内容が書いてある。がちょっと「フレームワーク」に縛られすぎで、そこが味気ない流れになってしまっている感じがするなあ。まずまず。


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2010/01/01

まずは「マーケティングの基礎」を


『視聴率調査はなぜウチに来ないのか』酒井光雄
[1]/ 図書館
Amazon ★★★★
K-amazon ★★★

タイトルは刺激的。こーゆー「疑問」は少なからず持つよね。選挙の「出口調査」しかり。このタイトルの「視聴率」ということにこだわりはなく、「マーケティング」をどう捉えるか、という内容。いや、むしろ、「こういう見方があるんだよ」レベルの話が多いかな。細かな事例など結構「身近」に感じるものが多い。
まずは「マーケティング」って何をやるの?という答え、ヒントはあるかもしれない。ここでも、(今自分が抱えている課題であるところの)一人のお客様に何回も買っていただく、とか、「買って!」アピールだけだと嫌われる、とか、そういう話も出てきている。また「ブランド」という概念も紹介されている。
けど、(思考の整理、でいうと)「既知の情報の再認識」という域にすべて収まってしまっているかなあ。「新しい分野の取得」は見出せず。2010年最初の「読了」としては、基礎固め、でよし、とします。
残念だったのは、タイトルにある「視聴率」について、「はじめに」しか触れられていなかった点かな。これって興味あるポイントだったんだけどなあ。(少数調査で確実!といえる根拠、ということろで...)

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